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トーラー ミシュナ ゲマラ  =タルムード


トーラー(モーセ5書=法律)

ミシュナ(生活規範)

ゲマラ(ラビ解釈)


Torah(ヘブライ語)旧約聖書の最初の5つの書のこと。

「創世記」

「出エジプト記」

「レビ記」

「民数記」

「申命記」

は特に重要とされ「モーセ 五書」または「トーラー(律法)」と呼ばれる。

さらに、モーセが神から授けられた法で、成文化されずに口伝で伝えられたものがあり、この口伝は3世紀頃に文書化され「ミシュナ」と呼ばれている。この ミシュナと、ミシュナをラビが解釈した「ゲマラから作成された日常生活の規範と、時代時代に対応した生きざまを記したものが「タルムード」である。

タルムードは、6部構成、63編から成る文書群で、現代のユダヤ教の主要教派のほとんどが聖典として認めており、ユダヤ教徒の生活、信仰の基となっ ていると言われるものである。

その膨大な文書の中には民族的排他性と独善的選民思想が含まれた問題箇所があり、ユダヤ人が排斥される原因となってきた。その一部を抜粋。

  • ユダヤ王は真の世界の法王、世界にまたがる教会の総大司教となる。

  • あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地の面にいるすべての民の中からあなたを選び、御自分の宝の民とされ

  • 世界はただイスラエル人の為にのみ創造されたるなり。イスラエル人は実にして、他の民は空なる殻皮のみ。従ってイスラエルの他に民族なし。彼らは ことごとく空皮に過ぎざればなり。

  • 神言い給う、我は我が予言者を畜獣に過ぎざる偶像崇拜の徒の為に遣わしたるにあらず。人間なるイスラエル人の為に遣わしたるなり。

  • 人間の獣に優れる如く、ユダヤ人は他の諸民族に優れるものなり。

  • すべての民を喰い尽くし、すべての民より掠奪することは、彼らすべてが吾等の権力下に置かれる時に始まるべし。

  • 神はユダヤ人にすべての方法を用い、詐欺、強力、高利貸、窃盗によってキリスト教徒の財産を奪取することを命ずる。

  • 吾々はタルムードがモーゼの律法書に対して絶対的優越性を有することを認むるものなり。

  • タルムードの決定は、生ける神の言葉である。

  • 汝らは人類であるが、世界の他の国民は人類にあらずして獣類である。

  • 汝殺すなかれ、との掟は、イスラエル人を殺すなかれ、との意なり。ゴイ(非ユダヤ人)、ノアの子等、異教徒はイスラエル人にあらず。

  • ゴイがゴイもしくはユダヤ人を殺した場合は責めを負わねばならぬが、ユダヤ人がゴイを殺すも責めは負わず。

  • ゴイに金を貸す時は必ず高利を以てすべし。

  • 拾得物を紛失者に返却すべしとの戒は、ユダヤ人に対してのみ守らるべきものにして、ゴイに対しては然らず。

  • 他民族の有する所有物はすべてユダヤ民族に属すべきものである。ゆえになんらの遠慮なくこれをユダヤ民族の手に収むること差し支えなし。

  • ゴイの財産は主なき物品のごとし。

  • ゴイに向って誓いを立てた者は、盗賊であれ税吏であれ、責任を取らなくてよい。

  • ゴイにわれらの信教を教える者は、ユダヤ人を殺すに等しい。もしもゴイがわれらの教説を知ったならば、かれらは公然とわれらを殺すだろう。

  • ゴイがわれらの書物には何かゴイを害することが書いてあるのではないかと聞いたら、偽りの誓いを立てなければならない。そして、そのようなことは 誓って書いてないと言わなければならない。

  • タルムードを学ぶゴイ、それを助けるユダヤ人はことごとく生かしておいてはならない。

  • 涜神者(非ユダヤ人)の血を流す者は、神に生贄を捧ぐるに等しきなり。

このような“選民思想”と共に、もう一つの特徴が「終末にあたって救世主が再臨し、正義と平和が支配する理想世界が訪れる」とする“救世主(メシア)思 想”、言い換えれば“終末思想”である。

「トーラーの名において」の著者、ラブキン教授はロシア生まれのカナダ国籍を持つ歴史学者で、敬虔なユダヤ教徒。


およそ2000年前、ローマ帝国によってエルサレムの神殿を破壊され、祖国を追われて世界に散らばったユダヤ人たちが迫害や差別を逃れて、約束の地に戻って国を再建したというのが一般的な説明になっている。これに正面から異論を唱えるのがこの本。

1948年 ユダヤ人の国としてイスラエルが建国される。以来、もともとその土地に暮らしていたパレスチナ人や周辺のアラブ諸国との間に激しい対立と戦争が繰り返されている。イスラエル建国の原動力となったのがシオニズムと呼ばれる、ヨーロッパで生まれた思想。その意味を正面から問い正す本が、モントリオール大学教授の ヤコブ・M・ラブキン氏が著した「トーラーの名において(シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史)」である。

ラブキン:イスラエルでは、ホロコーストの悲劇が意図的に強調されてきた。

解説: 1948年の5月、ヨーロパなどで迫害を受けたユダヤ人が、祖先の土地と見ているパレスチナでイスラエルの建国を宣言した。これは、国連のパレスチナ分割決議を根拠にしたものであるが、アラブ人が過半数を占める人口比率を無視た不当な決議だとして、アラブ諸国は激しく反発した。

1948年、第一次中東戦争が勃発。イスラエルは戦争に勝ち、もともとこの土地に暮らしていたパレスチナ人70万人が難民となった。その後、あれ部とイスラエルの戦争が繰り返された。イスラエルは強力な軍事力を備え、1967年の第三次中等戦争では、遅配地域を一挙に4倍以上に広げた。

イスラエルは戦争の度に占領地を拡大してきました。アメリカからの軍事支援と豊富な資金提供によって、やりたい放題。パレスチナの人々への虐殺が繰り返され、彼らは難民となって、一部はヨーロッパに散らばっています。

国連ではイスラエルに対し、占領した土地からのい撤退を求める決議が採択され、その後アメリカなどの仲介で中東和平交渉などが進められたが、多くの問題、特にパレスチナ問題は未解決のまま。イスラエル、アメリカ両方ともシオニズム側なのです。現在イスラエルの人口の20%がアラブ系であるが、イスラエルは自らをユダヤ人国家と規定している。イスラエルはユダヤ人の為にある国家であると宣言しているのです。

ラブキン:シオニズムは19世紀のヨーロッパで生まれた政治運動です。ユダヤ教の集団を民族に統合し、共通の言語を与えてパレスチナの土地に移住させ、支配しようという運動です。宗教用語を多用していますが、基本的にユダヤ教の教えとは相容れません。シオニズムとは無神論的です。

解説:本来、ユダヤ人とはユダヤ教徒を意味する。ユダヤ教を信仰していれば人種・国籍・国境は無関係だった。日本人でもユダヤ教徒になればユダヤ人という事になる。シオニズム運動によって、ユダヤの言語、ユダヤの生活スタイルが決められ、そうした枠にはめてユダヤ人を管理しようとしている。

ラブキンは、中東問題は実は単純な事であると言っている。すべてはイスラエルの建国によって始まった事である。あたかも宗教問題のように扱うから複雑に聞こえるが、これは純粋な政治問題である。ユダヤ人国家を名乗るイスラエルがパレスチナを占領し抑圧してきた事。調和、親切心といった本来のユダヤ教の教えとは正反対の行動をしてきたところに根本的は原因がある。

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